シルク付与剤「ウルファーダ」とは
Ⅰ.シルク付与剤ってなにもの??
Ⅱ.開発の経緯 ~ 苦しむお子さんを助けたいお母さんのために ~
Ⅲ.今後の展開
絹生活研究所Online Storeは、「Itoguchi」をはじめ、「Silk life lab.」や「JubanJuban」など、みどりまゆシルクを配合した化粧品ブランドを中心に展開しています。
化粧品以外にも、みどりまゆを使用したインナーやタオル等のファブリックもご好評いただいておりますが、その中で一つ、異色の、というか謎の製品があります。
それは、「シルク付与剤 ulfada -ウルファーダ-」
これが何者なのか?どうやって使用するのか?どんな人が使うのか?と、製品ページの説明文だけではなかなか特徴をお伝えしきれず、お客様からたびたびご質問をいただきます。
そこで、ulfadaはどのような特徴を持つのか、どのような方に使っていただきたいのか、開発裏話を交えながらご紹介したいと思います。
Ⅰ. シルク付与剤ってなにもの??
製品を企画する立場で書くのも気が引けますが、「シルク付与剤」という言葉をみなさんが耳にしたことは無いと思われます。それもそのはず。当社が考えた造語ですので。
ulfadaは、シルク以外の繊維にも、シルク成分を付着させて、肌に触れる衣類を優しくしっとり仕上げる目的で使用していただくものです。
シルクの衣類は、美しい見た目とともに、柔らかい感触や静電気が起きにくいことなどが古来より知られてきました。
そのようなシルクと同じ機能をお気に入りの衣類、特に肌着やデリケートゾーンに触れる衣類にも加えることができるように、柔軟剤のような使用方法で手軽にシルク成分を付着させることができるように開発しました。
Ⅱ.開発の経緯 ~ 苦しむお子さんを助けたいお母さんのために ~
シルクを衣類に付着させるという技術は、本来は専用の工場で特殊な工程を経て行うものです。
簡単に落ちないよう半永久的にシルクを繊維に付着させるため、複数の技術を組み合わせ、生地との相性も見ながら時間をかけて開発していました。
絹生活研究所では、数年かけて開発したシルク加工済みの生地を使用して、インナーやショーツ、靴下などを販売しています。
流行りのスタイルではないですが、年代を問わず、長く愛用していただけるスタンダードタイプを中心にしており、お肌が敏感な方はもちろん、大切な方への贈り物としてもご好評いただいています。
しかし、大人向けが中心のため、お子様サイズはありません。
ある日、このシルク加工済みのインナーをご愛用いただいているお客様から、「子供の衣類を送るので、これに加工して欲しい」というご相談を受けました。
事情をお伺いしてみると、当時3~4歳のお子さんがアトピーで苦しみ、毎日痒そうにしているとのことでした。肌に優しい生地や柔軟剤など、あらゆるものを試しているが、どの衣類もこすれて痒くなってしまっているとのこと。
そのような中、お母さんのシルク加工済みのインナーを気持ちよさそうに触っている姿を見て、もしかしてこのインナーなら着られるかもしれない、子供用があればいいのに、ないなら加工して欲しいと考え、当社にご連絡くださったそうです。
本当はすぐにでも加工したいところでしたが、お持ち込みの衣類に加工をすることは非常にリスクが高く、簡単にはお応えできませんでした。
本来は生地の状態で、シルクとの相性、洗濯耐久性、各種機能面のテスト、縮みの発生など、細かい検証が必要です。
それを経ずに安易に受けることは叶わず、お子さんがつらい思いをしているのに何もできないことが、非常に情けなく不甲斐ない思いでいっぱいでした。
しばらく経過してから、今度は大人でアトピーや敏感肌に苦しむ方達からご相談がありました。
「シルクで柔軟剤って作れないの?」というものでした。
アトピーに苦しむ方は大人も子供も、少しでも肌への刺激を減らすために、柔軟剤を使用する方が多く、さらに高い柔軟効果を求めるあまり、規定量より多く使用することもあるそうです。
しかし、柔軟剤は洗濯の最後のすすぎに入れるため、そのまま脱水して干します。
つまり水で希釈されるとはいえ、入れたものがそのまま衣類に残ります。
柔軟剤は陽イオン界面活性剤を主体にしており、裏面に記載されている規定の量を守らず、多めに入れてしまうと、肌の刺激に繋がることもあります。良かれと思って入れた多めの柔軟剤で逆に悪化させてしまうこともあり得るのです。
また、この陽イオン界面活性剤にも種類があります。標準的なお肌の方は特に気にする必要はなくても、アトピーや敏感肌で苦しむ方は、慎重に選んだ方がよい成分です。
しかし、柔軟剤は肌に触れるにも関わらず、洗剤と同じ「雑貨」の扱いであるため、成分表示を見たたけでは何が配合されているか、詳細はプロであってもわかりにくいものです。
そこで、私たちは思いつきました!
シルクを柔軟剤のように、家庭で手軽に衣類に付着させたらどうか。
工場で行う加工のように半永久的にシルクを付着させることは無理でも、落ちたらまた付ければいいだけ。
洗濯機の柔軟剤入れに入れられるもの。
下着や靴下だけなら、洗面器でつけ置きもいい。
シルクなら重ね付けしても問題ないから、スプレーで付着させるのもいい。
どんどんアイディアがあふれ、シルクでしっとりさせるのはもちろん、どうせなら汗のいやなニオイも防ごうと、茶カテキンとグレープフルーツ種子エキスを組み合わせて、無事に抗菌防臭テストもクリア。
そして絶対に守りたかったのは、化粧品と同じ視点での製造。
肌に触れる衣類に付けるのですから、化粧品と同じクオリティが必要だと思い、配合されている成分はすべて化粧品原料と同じものです。製造工場ももちろん化粧品を作る場合と同じ工場です。
化粧品と同様、パッチテストも実施しました。
結果的に、当然と言えば当然ですが、保湿化粧品とほぼ同じ処方となりました。
一般的な柔軟剤のように、生地を柔らかくすることを主の目的としていないため、必ずしも生地がフワフワやわやわになるわけではないですが、生地の表面はシルク成分によってなめらかでしっとりとした手触りになります。
お肌のために、シルクを衣類に付着させる(=付与する)ことで、まるで衣類をシルクでトリートメントしているような製品の完成です。
~ 衣類のシルクトリートメント ~
シルク付与剤「ulfada -ウルファーダ-」
余談ですが、「ulfada ウルファーダ」という名前の由来は、
「うるおう+ファブリック+はだ」の組み合わせです。
シルクでしっとりした衣類を肌にまとって欲しいという願いを込めています。
Ⅲ. 今後の展開
さて、そのような思いで開発したウルファーダは、2022年8月に発売を開始しました。
大がかりなプロモーションはしていませんが、敏感肌の方、肌にやさしい柔軟剤を求めていた方などに徐々に知れ渡り、雑誌やメディアにもたびたび取り上げていただきました。
その中で、「スプレーボトルに入れるのが面倒だから、最初からスプレータイプが欲しい」というお声が増えていくのをひしひしと感じておりました。
水道水で薄めてスプレーボトルに入れるのは、確かに面倒ですよね。
洗濯機やつけ置きでも使用可能ですが、思った以上にスプレーを希望する方が多いようですので、現在急いでスプレータイプを開発中です!
近々ご案内できるかと思いますので、もうしばらく楽しみにお待ちくださいませ。
肌に触れるものをすべて心地よいものに。その思いを胸に今後も喜ばれる製品を開発していきます。